導入事例インタビュー

株式会社木田屋商店（以下、木田屋商店）本部長 木田 幸太氏に、当社のキャッシュレスサービスを導入した経緯と効果について、詳しく伺いました。

江戸時代から、米問屋として食卓を彩ってきた木田屋商店。現在はスーパーマーケット事業を軸に、惣菜事業、植物工場事業など複数の事業を展開。お客様の食卓を第一に考え、安心・安全な食材の提供をおこなっている。
古い伝統を守りながらも新しい事に果敢にチャレンジすることが、食生活をサポートする総合食品会社である木田屋商店のミッション。

地元千葉県産の新鮮な野菜が並ぶ広々とした店内

店内調理のお惣菜はお財布に優しいお手頃価格

当社では、ポイントカード機能に加え、独自Pay（ハウス電子マネー）機能も備えた「K-カード」を発行しています。

「K-カード」は、当社が展開するスーパー木田屋北栄店、K-fresh新井店の両店舗でご利用いただけるポイント機能付き電子マネーカードです。200円お買上げごとに1ポイントを付与し、貯まったポイントは商品と交換できるサービスとなっています。
ポイントカードは各店舗で発行しており、発行時に個人情報は取得していません。

サービスを開始して約10か月経過しましたが、現段階で「K-カード」を使った決済額は全体の売上の5割弱を占めており、将来的には全体の6割まで伸ばしていきたいと考えています。

現在、2つのキャンペーンを実施しています。

1)チャージデー（対象：全店）
毎月15日は、チャージすると最大5％を還元。
1万円未満：+1%付与　（例：5,000円入金で5,050円分お買い物可能）
1万円以上～3万円未満：+3%付与（例：2万円入金で20,600円分お買い物可能）
3万円以上～5万円未満：+5%付与（例：4万円入金で42,000円分お買い物可能）

2)午前中にチャージで8％付与（対象：K-fresh新井店）
毎日午前中にチャージしたお客様に対し、8％付与。

キャンペーンの告知手段として、店舗における店内掲示や店内アナウンス、チラシへの掲載をおこなっています。

ポイントサービスは約20年前から実施していましたが、電子マネーサービスを導入するのは今回が初めてとなります。

木田屋商店では、将来の労働人口の減少、人手不足を見越した店舗作りを心がけており、最終的には無人店舗の実現を計画しています。そのステップの一つとして、今回、K-fresh新井店の改装に合わせて「カート型セルフレジ※」を導入することにしました。その際に、キャッシュレス決済の導入が必要でした。

ただ、クレジットカードや汎用決済は、決済額の3％程度の手数料がかかるため、その決済比率が高くなると経営を圧迫してしまいます。キャッシュレス化が叶い、かつなるべく負担の少ない決済システムである必要がありました。

※商品のバーコードを読み込むバーコードリーダーと会計処理を行うタブレット端末を搭載したショッピングカートのこと。欲しい商品のバーコードをカメラで読み取り、読み取った商品のデータを専用の会計レジに送ることで、現金やクレジットカード、電子マネーなどでの決済が可能となる。

主な採用ポイントは、次の通りです。

スーパーマーケット業界は、「現金で仕入れて売り、その売上でまた仕入れをする」流れが基本です。昨今のキャッシュレス化でクレジットカードを導入する企業も増えていますが、そのようなサイクルで成り立っているスーパーマーケットにとって、クレジットカードの入金までのタイムラグはネックです。クレジットカードの決済比率が上がると、それに比例して手元の現金は少なくなり、どうしても資金繰りが苦しくなってきます。ですので、お客様にチャージいただいた時点で、前受金として現金が手元に入る独自Payのキャッシュフローの良さはとても魅力的でした。

スーパーマーケットの利益率は1%程度です。その利益率のなかでは、クレジットカードやその他汎用決済の2〜3%の決済手数料率は致命的です。

貴社のキャッシュレスサービスは、決済手数料率が他社と比べ、圧倒的な低さでした。

クレジットカードなどは、利用にあたってブランド使用料などさまざまな費用がかかるそうで、それが手数料率の高さにつながっているのだそうです。独自Payは、そういった費用もかからないため、低い手数料で提供できると説明を受けました。

K-fresh新井店の改装と合わせて導入をしたかったため、リニューアルオープンにサービススタートを間に合わせることができるという、導入までの早さも決め手の一つでした。
 

具体的には、次のような効果を感じています。

レジでの決済スピードは格段に早くなりました。
クレジットカードは、通信時間が5秒以上かかりますが、「K-カード」は1、2秒で決済が完了するので、決済スピードの向上は顕著に表れました。
また、コロナ禍で、ご高齢の方やお子様の小銭の出し入れをスタッフがお手伝いできないこともあり、お客様によっては現金での支払いにかなり時間を要していましたが、「K-カード」のおかげでスムーズに決済いただけるようになりました。

「K-カード」を使ってくださっているお客様は使っていない方に比べて、1人当たりの客単価が高い傾向にあります。つい1、2品多く買ってしまうようです。
お客様にお得を感じていただけるよう、「『K-カード』で支払うとポイント〇倍」などの施策をおこなっているため、お客様からは「どんどん買ってしまう魔法のカードみたいだね」とお声をいただくこともあります。
ポイントサービスとうまく組み合わせることによって、K-カードの利用促進や販促にもつながっています。

現金を扱うことが少なくなったことは、スタッフの精神的な負担軽減にもつながっています。
現金はどうしても誤差が生まれてしまう可能性があるため、スタッフによってはプレッシャーに感じるようです。
 

これはスーパーマーケット業界全体に言えることですが、近隣に競合店が進出してくる中で、個人店がどう生き残っていくかが重要になってくると思います。
近隣の小売店も巻き込んで、地域全体で盛り上げていきたいと考えています。現在定期的に開催しているコストコフェアやキッチンカーを呼ぶイベントはその一環です。

競合店対策としては、新しいことに取り組むこと、お客様にお得だと感じてもらうことがカギになると感じています。
 

今後、無人店舗を目指していくにあたり、まずは「K-カード」での決済比率を全体の6割まで引き上げたいと思っています。そのための運用面などに関するアドバイスにも大いに期待しています。

※ 木田屋商店のホームページ
※本文に記載の数字は、取材をおこなった2022年3月時点のものです（アララ キャッシュレスを導入）