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カフェの開業に必要な資金や資格とは?ポイントやコツを解説

カフェを開業するためには、必要な申請や資格があります。また、開業後失敗しないためには、ポイントやコツを押さえておくことが大切です。

本記事では、カフェの開業に必要な資金や資格を解説します。また、経営者の年収や喫茶店との違いや経営者の年収もご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.まずカフェ経営の基本を理解しておく
    1. 1.1.カフェと喫茶店の違い
    2. 1.2.カフェのさまざまなスタイル
    3. 1.3.カフェ経営の魅力
    4. 1.4.カフェを開業するまでの流れ
  2. 2.カフェを開業するために必要な資格や申請
    1. 2.1.カフェ開業時に必要な申請
      1. 2.1.1.飲食店営業許可申請
      2. 2.1.2.菓子製造業許可申請
      3. 2.1.3.深夜酒類提供飲食店営業届
      4. 2.1.4.開業(廃業)等届出書
    2. 2.2.カフェ開業の必須資格
    3. 2.3.食品衛生責任者
      1. 2.3.1.防火管理者
  3. 3.週末カフェや自宅カフェの経営に必要な資格や申請
    1. 3.1.営業許可や開業届は必須
    2. 3.2.食品衛生責任者や防火管理者の資格も必須
  4. 4.カフェを開業するための3つの方法
    1. 4.1.自己資金や融資で最初から立ち上げる
    2. 4.2.開業済みのカフェをM&A
    3. 4.3.フランチャイズで開業する
  5. 5.カフェ開業の際にはコンセプトも必要
    1. 5.1.コンセプトの作り方
    2. 5.2.コンセプトづくりの鍵「5W2H」
    3. 5.3.コンセプトづくりの注意点
  6. 6.カフェ開業にまつわるお金を理解する
    1. 6.1.カフェ経営者の年収目安
    2. 6.2.カフェ開業に必要な費用
    3. 6.3.カフェ開業後に発生する主な経費
    4. 6.4.カフェ開業の費用を抑えるには
  7. 7.カフェ開業の注意点
    1. 7.1.初期投資が過大にならないように注意する
    2. 7.2.収支計画をしっかり立てるようにする
  8. 8.カフェ開業を成功させるコツ
    1. 8.1.採算性を意識した経営戦略を立てる
    2. 8.2.気軽に立ち寄りやすい雰囲気づくりを目指す
    3. 8.3.お店オリジナルの独自Pay(ハウス電子マネー)で集客・来店促進
  9. 9.まとめ


まずカフェ経営の基本を理解しておく

スイーツに力を入れたお店や食事にこだわりを持ったお店、月額定額制でコーヒーを楽しめるお店など、カフェの種類はさまざまです。どの分野に力を入れるかによって、店舗の立地や内装、設備も異なります。

まずカフェの特徴やカフェ経営の基本を理解した上で、方向性を決めていかなければなりません。これからカフェ経営する際の参考になるように、カフェと喫茶店の違いやカフェを開業するまでの流れについて、詳しく解説していきます。


カフェと喫茶店の違い

カフェ(café、caffè)はもともとフランス語やイタリア語で、コーヒーや喫茶店を意味するものです。ただし、日本のカフェは酒類の提供や調理ができることに対し、喫茶店は酒類の提供や調理が基本的に不可ということで区別される場合があります。

出典:weblio辞書(デジタル大辞泉)「カフェ【(フランス)café/(イタリア)caffè】」

両者が区別される理由は、食品衛生法施行令第35条でカフェの営業区分が「飲食店営業」であることに対し、喫茶店の営業区分が「喫茶店営業」だったためです。しかし、2021年6月1日に施行された新制度により「喫茶店営業」は「飲食店営業」へ統合されました。

今後、新たに喫茶店を開業する場合は「飲食店営業」となるため、カフェと喫茶店に明確な違いはなくなるでしょう。ただし、新制度施行以前から「喫茶店営業」している喫茶店は、新たに飲食店営業許可を取得しない限り、引き続き酒類提供や調理をしない形態で営業することになります。


カフェのさまざまなスタイル

カフェには、「一人で運営するカフェ」「週末カフェ」「自宅で運営するカフェ」「移動式カフェ」など、さまざまなスタイルがあります。

「一人で運営するカフェ」は、自分の理想を実現しやすい点がメリットです。ただし、調理や材料調達、接客から経営まですべて一人で対応しなければならないため、負担が大きくなります。

週末にのみ運営する「週末カフェ」や「自宅で運営するカフェ」は、少ない開業資金で始められるため、リスクが低い点がメリットです。ただし、いずれもお客さまに認知されにくいため、すぐに収益を出すことは難しいでしょう。そのため、いかに効率的な販促活動を行えるかがポイントになります。

特定の店舗を構えず、移動車で販売していく「移動式カフェ」も、店舗型のカフェに比べると少ない費用で運営できます。ただし、どこでもお店を開けるわけではなく、都度出店する場所の利用許可を得なければなりません。


カフェ経営の魅力

カフェ経営の魅力のひとつが、さまざまな職業・年代のお客さまと交流できる点です。また、回転率を上げたり、夜営業や食事・酒類の提供をしたりすることで、高い売り上げも期待できます。

また、小規模での運営が可能なため、他の業態に比べると少ない資金で開業できる点も魅力です。将来的に起業したいけれども今の会社を退職してしまうのは不安という方も、週末カフェであれば「副業」としてチャレンジできるでしょう。


カフェを開業するまでの流れ

カフェ経営を決断してから、開業するまでにおよそ半年程度の準備期間を要します。カフェを開業するまでのおおまかな流れは、以下の通りです。

  1. どのようなカフェを目指すのかコンセプトを決める
  2. コンセプトに応じたターゲットや店舗の立地条件、取扱商品などを事業計画に落とし込む
  3. 希望を満たす物件を探す
  4. 資金計画を作成し、金融機関などから開業・運転資金を調達する
  5. 業者に内装や外装の設計・施工を依頼する
  6. カフェで提供するメニューを考案する
  7. 備品を購入する
  8. 飲食店営業許可などを申請する
  9. スタッフを募集・雇用し、研修や接客トレーニングを実施する
  10. マニュアル作成や販売促進などの開業準備を進める
  11. 開業


カフェを開業するために必要な資格や申請

カフェは未経験でも開業できるため、他の業態に比べると比較的手軽に営業を開始できます。ただし、「カフェを開業するまでの流れ」で紹介した通り、カフェを開業するためには飲食店営業許可の取得が必要です。

また、飲食店営業許可以外にも必要な資格や申請が存在します。カフェ開業に必要な資格や申請を確認しておきましょう。


カフェ開業時に必要な申請

飲食店営業許可申請

2021年6月1日より、酒類提供や調理をしない「喫茶店営業」という分類がなくなったため、カフェも喫茶店も新たに開業する際には、「飲食店営業許可申請」をしなければなりません。営業許可を申請する際には、お店の工事竣工前に所管の保健所へ相談しておく必要があります。

営業許可申請書類の提出目安は、施設工事完成予定日の10日前程度までです。申請時には、施設の構造や設備を示す図面、食品衛生責任者の資格を示すもの、水質検査成績書(水道水、専用水道、簡易専用水道以外の水を使用する場合)、許可申請手数料も用意します。

出典:東京都福祉保健局・保健所「食品関係営業許可申請の手引き」


菓子製造業許可申請

お店で菓子やパンを製造してテイクアウトにも対応する場合、菓子製造業許可申請も必要です。ただし、不要なケースもあるため提出前に保健所に相談するとよいでしょう。


深夜酒類提供飲食店営業届

酒類提供する場合の申請は不要ですが、深夜営業中(午前0時から日の出まで)も酒類を提供する場合は、「深夜酒類提供飲食店営業届」を所管の警察署へ届け出なければなりません。


開業(廃業)等届出書

新たに個人事業を開業する場合には、「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を開業日から1カ月以内に管轄の税務署に提出しなければなりません。開業届には、罰則や審査はありませんが、今後青色申告で確定申告を行うための「青色申告承認申請書」を提出する際に必要となります。


カフェ開業の必須資格

料理を提供する場合であっても、カフェ経営する際に調理師免許は必要ありません。カフェ経営で必須といわれているものが、食品衛生責任者と防火管理者の2つです。


食品衛生責任者

食品衛生責任者とは、食品衛生上の管理運営にあたる責任者のことで、カフェに限らず、飲食店を開業する際に必須となる資格です。飲食店では、1名以上の食品衛生責任者を置かなければなりません。食品衛生責任者になるためには、合計6時間の養成講習会の受講が必要です。

出典:東京都福祉保健局「食品衛生の窓」


防火管理者

収容人数が30人を超える場合、防火管理者も置かなければなりません。防火管理者には「甲種防火管理者」と「乙種防火管理者」の2種類があります。お店の延面積が300㎡以上の場合には「甲種防火管理者」、300㎡未満の場合には「甲種又は乙種防火管理者」の配置が必要です。

甲種新規講習では2日間にかけておおむね10時間、乙種講習では1日、おおむね5時間の講習を受講します。

出典:東京消防庁「防火管理者が必要な防火対象物と資格」一般財団法人 日本防火・防災協会「防火・防災管理講習」

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週末カフェや自宅カフェの経営に必要な資格や申請

カフェ経営を目指す方の中には、「資金が限られているから週末だけ営業したい」「一人で運営できるように自宅でカフェ経営をしたい」など、限定的な時間・場所でのカフェ経営から始めてみたい方もいらっしゃるでしょう。そのような「週末カフェ」や「自宅カフェ」を開業する際にも各種資格や申請は必要なのでしょうか。


営業許可や開業届は必須

週末カフェや自宅カフェを経営する場合でも、「飲食店営業許可申請」が必要となります。
週末カフェや自宅カフェであっても、提供するメニューや営業形態によっては「菓子製造業許可申請」「深夜酒類提供飲食店営業届」の提出も必要です。
通常のカフェや喫茶店を経営する時と同じように、お店の工事竣工前に所管の保健所へ相談するなど、事前準備をしておきましょう。

また、週末カフェや自宅カフェを始める方の中には、初めて開業する方も多いでしょう。新たに個人事業を開業する際は、「開業(廃業)等届出書」の提出も必要となります。開業届はカフェの事業開始から1ヶ月以内に提出しなくてはならないため、早めに提出するようにしましょう。


食品衛生責任者や防火管理者の資格も必須

週末カフェや自宅カフェの場合でも、食品衛生責任者や防火管理者の資格は必須です。特に、食品衛生責任者は前述の営業許可申請をする際に必要となります。

ただし、防火管理者に関しては、収容人数が30人を超える場合のみ必要な資格のため、自宅カフェを経営する際には、不要なことが多いです。


カフェを開業するための3つの方法

カフェの経営者になるためには、どのような方法でお店を運営していくか最初の段階で考えておかなければなりません。具体的には「自己資金や融資で最初から立ち上げる」「開業済みのカフェをM&A」「フランチャイズで開業する」といった方法が挙げられます。

それぞれ資金調達方法などが異なるため、状況や目指す方向に合った方法を選ぶことが大切です。それぞれの特徴を確認していきましょう。


自己資金や融資で最初から立ち上げる

カフェを経営する代表的な方法のひとつが、自己資金や知人・親戚からの借入、銀行からの融資を元手に、最初から自分でカフェを立ち上げることです。自分好みのコンセプトのお店を始められます。

通常、融資を受ける際には、該当企業の実績や社歴が判断材料のひとつです。しかし、開業時には金融機関の創業融資制度が利用できるため、社歴が浅いケースや起業時でも低金利で融資を受けられる可能性があります。ただし、いずれの金融機関においても、創業計画などの提出が求められるため、開業や運営に関係する数字やコンセプトを明確にしておくことが必須です。

例えば、日本政策金融公庫の場合、担保・保証人不要で融資限度額3,000万円の「新創業融資制度」という制度があります。そのほか、補助金・助成金やクラウドファンディングを活用した資金調達も可能です。

出典:日本政策金融公庫「新創業融資制度」


開業済みのカフェをM&A

すでに開業しているカフェをM&Aするという方法もあります。「合併と買収」を意味するM&A(merger and acquisition)は、買収企業が被買収企業の支配権を獲得し、吸収したり、傘下に収めたりすることです。

出典:コトバンク(知恵蔵)「M&A」

例えば、経営者が高齢になったことを理由に地元で長く愛され続けていたカフェを閉めることを検討していた場合、交渉次第でM&Aが可能です。M&Aに成功すれば、店舗・設備、カフェ経営のノウハウ、知名度などを活用できるため、経営開始後すぐにでも収益を出しやすいでしょう。

経営者の高齢化が進んでいるのにもかかわらず、後継者不足が深刻なため、今後M&A事例がますます増えていくでしょう。ただし、M&Aでは契約書作成や売買価格算出などさまざまな専門的知識を要するため、税理士や弁護士などの専門家への相談するようにしてください。

出典:中小企業庁「2020年版 中小企業白書」


フランチャイズで開業する

未経験でカフェ経営に関するノウハウがない場合、フランチャイズで開業する方法もあります。フランチャイズでの開業は、本部社員によるアドバイスや行政手続きの代行、資金面の支援が受けられる点がメリットです。

また、本部の知名度を活用できるため、集客活動の負担も減らせます。その一方で、デザインやメニューが細かく指定される点、本部や他の加盟店で不祥事が発生した際に自店にも悪影響が及ぶ点がデメリットです。また、フランチャイズ料の支払いがランニングコストとして発生する点も忘れてはいけません。

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カフェ開業の際にはコンセプトも必要

カフェの開業に欠かせないのが、コンセプトづくりです。コンセプトとは店舗経営の方向性を示す指針となるものであり、ライバル店が多い飲食業界ではコンセプトによって売り上げや集客が左右されると言われています。大手チェーン店とは異なる、独自性があり魅力的なコンセプトを掲げることが、数多ある飲食店の中からお客様を獲得するために重要です。


コンセプトの作り方

コンセプトを作るためには、どのようなカフェにしたいか、店舗の具体的なイメージを思い浮かべてみることが大切です。まずはじめに以下の3項目を軸に考えてみると良いでしょう。

  • 顧客ターゲット

  • 利用機会
  • お店独自の強み

顧客ターゲットとは、来店してほしいお客様の層を指します。例えば、本好きなお客様をターゲットとする場合は豊富な種類の本を取り揃える、お子様連れの家族をターゲットに設定する場合はお子様が遊べる空間やメニューを用意するのが効果的でしょう。

利用機会とは、お客様の人数・時間帯・どのような目的で利用してもらいたいかを指します。例えば、仕事中の休憩や会社帰りの人が一息つくために一人で気軽に入れるカフェにしたい場合は、オフィス街で開業するのが効果的でしょう。

お店独自の強みとは、他のお店に負けないオリジナリティを作ることです。自店ならではの看板メニューやこだわりを作り、チェーン店や周囲のお店との差別化を図ることで集客・リピーターの獲得につなげます。


コンセプトづくりの鍵「5W2H」

顧客ターゲット・利用機会・お店独自の強みが決まったら、カフェの細かい内容を考えていきましょう。カフェのコンセプトづくりは「5W2H」を明確にするとイメージしやすくなります。5W2Hとは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)、How much(いくらで)のことです。


5W2H
説明
具体例
When(いつ)
営業時間
11:00~21:00
Where(どこで)
店舗の立地
都内のオフィス街
Who(誰に)
顧客ターゲット
会社員
What(何を)
メニュー
カフェメニュー・おつまみセット
Why(なぜ)
来店動機
のんびりくつろげる
How(どのように)
販売方法・経営スタイル
一人でも入店しやすい接客
How much(いくらで)
価格帯
平均1,000円前後


「5W2H」をそれぞれ細かく設定することで、曖昧だったコンセプトが明確になり、思い描いていたカフェの開業の近道となるでしょう。


コンセプトづくりの注意点

お店の将来が関わるコンセプトの決定は、順調に進むとは限りません。コンセプトづくりの注意点・ポイントをご紹介します。


◆実現可能なコンセプトかどうか
「5W2H」がはっきりしているコンセプトであっても、開業予算が足りない、集客が見込めない、同じエリアで他のカフェがオープン予定があるなど、状況によってはコンセプト通りの開業が厳しい場合もあります。コンセプトを決定する前に、実現可能なコンセプトかどうかを再確認することが重要です。

◆他の店のコンセプトを参考にする
なかなかコンセプトが決まらない場合は、自分の中でイメージしている理想のカフェと似ている店舗を参考にするのも一つのやり方です。他店のコンセプトを「5W2H」に当てはめてみて、マネできるところと自分でアレンジできるところを組み合わせて考えてみると、独自性のあるお店のコンセプトができるでしょう。


カフェ開業にまつわるお金を理解する

日本政策金融公庫が実施した「2020年度起業と起業意識に関する調査」で、起業家が事業をおこなう上で問題と感じていることの上位は、「売り上げを安定的に確保しづらい」「業務に対する対価(代金や報酬)が低い」でした。金銭面での不安から、関心はあってもなかなかカフェ経営に乗り出せない方も多いでしょう。

出典:日本政策金融公庫 総合研究所「「2020年度起業と起業意識に関する調査」~アンケート結果の概要~」

カフェ経営者の年収目安や開業費用、経費を解説します。


カフェ経営者の年収目安

業態によっても異なりますが、カフェ経営者の年収は200〜500万円が目安です。10席ほどのカフェの場合、1ヶ月収入はおよそ10〜30万円でしょう。もちろん、集客戦略に成功すれば、高収入を得ることも可能です。

老舗カフェをM&Aしたり、好立地の物件を購入したりしない限り、最初の一年間は利益が出ないか赤字計上する可能性もあります。カフェ経営に乗り出す場合は、あらかじめ6〜12ヶ月程度の運転資金や自身の生活資金を確保しておきましょう。


カフェ開業に必要な費用

賃料15万円程度の小規模なカフェを開業するために必要な費用は「物件取得費(150〜300万円)」「内装工事費(300万円)」「厨房機器費(100万円)」「備品代(100万円)」「運転資金(100〜150万円)」です。ただし、金額は立地条件や店舗コンセプトなどによって大きく異なります。

運転資金とは、日常営む経営活動に充てられる短期的資金です。特にカフェ開業当初は、赤字が出ても営業継続できるように、十分な運転資金を用意しておかなければなりません。運転資金は、お店の賃料の10ヶ月程度を目安に算出します。


カフェ開業後に発生する主な経費

カフェ開業後に発生する経費は、変動費と固定費の2種類があります。変動費は生産量や売上高に応じて変動する費用で、固定費は生産量や売上高の増減に関係なく発生する一定の費用です。

出典:コトバンク(デジタル大辞泉)「へんどう‐ひ【変動費】」、「こてい‐ひ【固定費】」

カフェ経営では、コーヒー豆や食材などの「仕入原価」、従業員給与などの「人件費」、水道・電気代などの「水道光熱費」、お店のHP運営費用などの「広告宣伝費」などの変動費がかかります。また、固定費の代表例がお店の賃料です。

変動費は売り上げの60〜70%、固定費は20%以下に抑えるべきという基準があります。基準に従って経営できれば、残り10%の利益確保が可能です。


カフェ開業の費用を抑えるには

さまざまな工夫をすれば、カフェの開業資金は抑えることができます。具体的には、以下のような方法があります。

  • 居抜き物件を利用する
  • フリーレント物件を利用する
  • 中古品やリース契約を利用する
  • 共同経営者と開業する
  • SNS・クラウドファンディングを活用する
  • 助成金・補助金を申請する


居抜き物件とは、前に借りていたテナントの設備や家具、内装などを残したままの状態の物件を指します。前のテナントがカフェだった場合、設備や備品などそのまま使えることが多いため、開業のコストダウンが見込めます。また、フリーレント物件とは、一定期間家賃が無料となる物件のことで、カフェの営業開始までの開業資金を節約することができます。

また、設備や備品など中古品で問題ないものは中古・リース契約で節約が可能です。

さらに、一人で開業するのではなく出資者などと一緒に開業すれば、開業資金を折半できます。

加えて、SNSを活用してお店のオープン情報などを告知したり、クラウドファンディングで開業資金を募ったりすることで、開業資金の援助やオープン後のお店の宣伝にもつながります。

なお、カフェ開業にあたり国や自治体から助成金や補助金をもらえる場合があります。自店が受けられる制度がないかを確認してみましょう。


カフェ開業の注意点

カフェは初心者でも開業しやすいものの、安易に開業すると失敗につながるおそれがあります。日本政策金融公庫の「新規開業パネル調査」によると、2015年末時点で廃業状況が最も高い業種は飲食店・宿泊業でした。

出典:日本政策金融公庫 総合研究所「「新規開業パネル調査」~アンケート結果の概要~」

カフェでは、「初期投資が過大にならないようにする」「収支計画をしっかり立てるようにする」といった点に注意しなければなりません。カフェ経営の失敗を未然に防ぐため、それぞれの注意点を詳しく解説します。


初期投資が過大にならないように注意する

お店の立地、食器、食材、業務用マシンなど、自分のこだわりを実現しようとすると、それだけ初期投資も大きくなります。初期投資が大きくなった結果、運転資金がなくなり、最終的に営業継続が困難になる可能性も否定できません。

できるだけ長くお店を続けていくためにも、最小限の設備で開業するように努めましょう。カフェの開業方法には、自宅開業や移動式カフェなどさまざまな選択肢があるため、初期投資を抑えたカフェ開業も可能です。


収支計画をしっかり立てるようにする

カフェ経営は、さまざまな経費がかかります。そのため、初期投資を節約しても、収支計画がずさんな場合は、一定の売り上げを確保できていても利益につながらず、閉店せざるを得ないこともあるでしょう。

収支計画は、数年後までの収入と支出の関係や借入と返済の関係を見通すことが大切です。現実的な収支計画を立て、売り上げと経費のバランスの取れた経営を心がけてください。


    カフェ開業を成功させるコツ

    カフェ開業は、狭いスペースでも運営できる点やメニューや店舗で自分のこだわりを実現しやすい点がメリットです。しかし、飲食店業界は、廃業率が高いといわれています。

    自分の大切なカフェを長期にわたって運営し成功させるためには、「採算性を意識した経営戦略を立てる」「気軽に立ち寄りやすい雰囲気づくりを目指す」「電子マネーで集客・来店促進」の3点が鍵です。


    採算性を意識した経営戦略を立てる

    カフェ経営で成功するためには、採算性を意識してコストを削減しつつ売り上げを伸ばす経営戦略を立てることが重要です。カフェの売上金額は基本的に「席数×客単価×回転数」と分解できます。小規模のカフェの場合、席数を増やすことには限界があるため、まず客単価と回転数を増やす経営戦略を検討しましょう。

    例えば、セットメニューの提供は客単価を上げる手段のひとつです。また、カフェに電子マネーを導入すると、会計にかかる時間を短縮できるため回転率上昇につながります。


    気軽に立ち寄りやすい雰囲気づくりを目指す

    気軽に立ち寄りやすいお店づくりをすることが、新規のお客さま獲得につながります。来店時に良い印象を与えれば、固定客になってもらえる可能性もでてきます。

    また、開業して間もない段階では、知名度が低くなかなか集客ができません。SNSや広告を駆使して集客力を高めると良いでしょう。

    さらに、カフェ業態の場合、仕事の合間や通勤前など頻度に利用されるため、電子マネーを導入しておくとお客様の利便性が高まります。現金いらずで利用できることから、お支払いもスムーズに済みます。

      カフェの効果的な集客方法施策8選 新規顧客・リピーターを増やすコツ 多くの顧客を集められているカフェは「味」や「値段」の他に、共通している特徴があります。本記事では、カフェにおける効果的な集客方法をご紹介します。 独自Payならバリューデザイン



    お店オリジナルの独自Pay(ハウス電子マネー)で集客・来店促進

    ここまで紹介してきたように、電子マネーはカフェ経営を成功させるツールとなりえます。特に「独自Pay(ハウス電子マネー)」は、より効果的に集客・来店促進できるツールです。

    例えば、独自Pay(ハウス電子マネー)は利用されたお客さまの履歴データを自由に閲覧できるため、履歴に基づいたキャンペーンなども実施できます。



    まとめ

    カフェを開業するには食品衛生責任者などの資格が必要ですが、他の業種に比べると比較的簡単に開業できます。ただし、カフェを長く続けていくためには採算性を意識した経営戦略が必要です。

    バリューデザインが提供する「Value Card」「アララ キャッシュレス」は、低い手数料率で自社専用の電子マネー発行、販促施策等を展開できます。お客さまの再来店のきっかけをうながせる点もメリットです。カフェを開業する方は、ぜひ独自Payサービス「Value Card」「アララ キャッシュレスの導入をご検討ください。


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    キャッシュレス決済市場において、独自Pay(ハウス電子マネー)サービスのパイオニアとして15年以上の販売実績を誇る独自Payマーケティングチームがその知見を活かし、店舗経営やキャッシュレスサービスに関する情報をお届けするコラムです。 店舗経営やキャッシュレスサービスの分野において、経営者や責任者が押さえておくべき基本や実際に取り組むべき具体的な施策など、お役立ち情報を発信します。 流通・小売・飲食業など様々な業界に対応したブログを20本以上ご用意しておりますので、ぜひお役立てください。

     


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